今回は玉ねぎのお話。インド料理にとって切っても切れない深いかかわりのある野菜が玉ねぎ。写真はタンドリーチキンなどの付け合わせに出てくる玉ねぎです。
タンドリーチキンやシークカバブなどと一緒にひとつまみ口に入れるのが通な食べ方。
とてもよく合います。ですから日本にあるインド料理店でもこれらを注文すると一緒に添えられてくることがあります。
 
このように玉ねぎは便利な付け合わせ。手間がかけられないときでもただ刻んだだけの玉ねぎをカレーにちょっと添えてあげるとインド人ならきっと「おっ!気がきくな」と思ってくれるはず。カレーの合間にこれをかじるのです。
 
その他玉ねぎの重要な役割はルーになるということ。みじん切りやペーストにした玉ねぎをじっくり炒めてカレーのルーは出来上がります。ドライなタイプのサブジ(おかず)でも玉ねぎを加えて作ったものは少しだけグレードが高い料理となります。
ただ、この玉ねぎ炒めは大量に仕込みをするレストランでは悩みの種。手間も時間もかかります。臭いも出ます。インドレストランのカレーで時々コクが無いものに出会いますが、これは玉ねぎを炒めずにボイルしているからです。
これではせっかくの玉ねぎの甘みが出ませんね。
 
そんな大切な役割を持つ玉ねぎですが、インドでは宗教的に食べない人たちがいます。
それはジャイナ教徒であったり(土の中にできるものは食べない)ヒンドゥーでは身分の高いブラーフマンであったりします。
殺生をしないジャイナの人たち、歩く時も虫を吸い込まないようにマスクをしているという徹底振り。土の中は見えないのでやはり収穫時にうっかり虫を殺しかねないというわけです。同様な理由でニンニクやショウガも食べません。
ヒンドゥーと通じる考えでもあるのですが、根野菜は、それを食べたらその生物の生命を断ってしまいますね、玉ねぎのカラダは玉ねぎだけではなく地上の茎も含まれます。根である玉ねぎ(ニンニク・ショウガ)を食べつくしてはその植物はなくなってしまう、再生しない。だから食べない。
 
では何を食べるかと言うと葉野菜や豆です。葉は間引けばよい、豆は少し残しておけばまたそこから発芽して命は続くという考え方です。当然肉や卵はもってのほか。
 
また、こんな思想もあります。玉ねぎやニンニクは精がつく野菜です。身分の高いカーストに生まれた人は学問を究める、人々を導くなどが今生の役割ですから、そんな精のつくものをもりもり食べるのは「はしたない」と考えるそうです。
この考えに乗っ取り根野菜を食べない場合はショウガは食べるわけです。
これらの習慣はちなみに世襲です。
 
南インドで訪ねたある家庭は肉が大好きでキッチンには玉ねぎやニンニクがストック。料理を習いにキッチンに入れてもらった私に「うちはこんなに玉ねぎやにんにくがあって恥ずかしいわ」と言っていた奥さん・・・イタリアや韓国の台所を見せてあげたいなと思いました。香味野菜を上手くつかうことは、料理の巾をぐんと広げるのですから。
 


   
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