パニール、カッテージチーズのことをインドではそう呼びます。ベジタリアンにとって豆に続く大切な蛋白源であるパニールは、レストランでもちょと高級品。ホウレン草の緑色のカレーソースにあわせた「パーラクパニール」もしくはグリンピースにあわせた「パニールマタール」などが代表的なメニューです。あと、変わったメニューではありますが大ぶりに切ったパニールにスパイシーなソースを塗って、タンドリーチキンを焼く釜で焼いた「タンドリーパニール」はインド料理の隠れた絶品です。インドへ行かれたら是非お試し下さい。
 
家庭ではパニールは手作り。たっぷりの牛乳を煮立ててニンブーという小型なレモンの汁で分離させて作ります。これを日本で作るときに感じるのは市販されている牛乳の薄さです。たくさんの牛乳を使ってもほんの少しのパニールしか取れないのが実情です。
 
私のやり方はパニールをお酢で分離をさせます。白かった牛乳が薄い緑色の透明の汁(ホエー)と白いおぼろ豆腐状のチーズに分かれたら出来上がり。ここまでは普通なのですが、そのあとチーズを水でジャブジャブ洗ってしまいます。これはインド人の中でも最もパニール(ベンガル語ではチャナ)にこだわりがあるベンガル人の家庭で習った方法です。こうすればパニールは固くぎゅっと引き締まり、また分離に使ったお酢の酸っぱさも飛んでまろやかなチーズになるのです。水分を切って固めてからカットしたり崩したりして使います。
 
ベンガルの人たちはこのパニールを使ってお菓子(ミシティー)をつくるのがとても上手です。スポンジ状のボールにして(これを茹でるのはちょっとした技術)シロップに浸した「ラスグラ」(ロショゴッラ)は有名です。型抜きして貝などの形にする「サンデーシュ」は日本の「お干菓子」を思わせる可愛らしさで、インドの食文化(見栄えに関する工夫は少ない)のなかでも異色です。
 
そして一押しは甘いミルクソースに漬け込んだ「ラスマライ」。これは「乳製品ファンなら是非一生に一度!」という美味しさ。私はとにかくこれが食べたくて食べたくて、禁断症状状態となってはたまに作っています。でもやはりインドの味にはかないません。私の腕の拙さもありますがやはり牛乳そのものが全然違うのだと思います。
 


   
about us 取材・リンクについて お問い合わせ designam  
デザインam制作会社