胡椒です。この小さな固い粒を求めて、かつてヨーロッパの国々は荒くれる海へと乗り出していったのです。
そもそも新大陸を求めていたのに、間違えて着いてしまった国で見つけたこの胡椒。それは彼らの食と味とを根底から揺すぶり、ついにはこれ無しではいられなくなり、そしてどんな危険も顧みずにこの新しい刺激を求めるようになっていった、その始まりが胡椒。
肉を焼くときに塩だけしか振っていなかった人達が一度胡椒の味を覚えたらもう胡椒なしではだめというのは私たちにも想像できますよね。

植物として生っている状態の胡椒は緑色。これを摘んで干して乾燥させると黒くなる、それがブラックペッパーです。これが一番辛い。また、熟させてから収穫し皮をむいたのがホワイトペッパー、少しマイルドな刺激です。

インドの家庭で料理をしていると、ブラックペッパーがとてもよく、しかも大量に使われるのに気がつきます。インドでは「辛さ」というものも使い分けられますから、胡椒のもつ唐辛子とは違う種類の辛さというものが、いかに愛されているかがわかります。私もいくつかの料理は唐辛子ではなく胡椒の辛さで食べるのが好きです。しかも粒のまま使いたいとき、ゴツゴツの粗挽きがいいとき、はたまたホワイトペッパーを使いたいときとはっきり分かれます。それは「ブレンドをするもの」ではなく「ひとつの完結した味のスパイス」とでもいうのでしょうか、とにかく胡椒は美味しいのです。ただ刺激的なのではなく、私は時折、とびきりいい胡椒に出会うと「この胡椒美味しい!」と叫んでしまいます。私の一押しはミクロネシア産のものです。

ブラックペッパーはガラムマサラにも欠かせません。ガラムマサラにはこれを少し多めに入れるとまとまりがよくなるようにも思います。普段の料理で例えばチャーハンでも野菜炒めでも胡椒を多めに振り掛けるという人はやはりスパイス全般にハマる素質ありです。
今日本でどこの家にもいつも必ずあるスパイス、胡椒。あらためて、見直してみませんか。
 
 


   
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