「メティ」 これはヒンディー語です。以前とりあげたフェヌグリークのことなんですよ。フェヌグリークはスパイスとしてそう呼ばれていますが、インド国内ではメティと言えばスパイス、そしてそれを撒いて出てくるハーブの葉と両方に使います。今回取り上げるのはそのハーブの方です。

「メティ」は発芽率の良い種です。そのまま撒いておけばハーブとして使うメティリーフが簡単に収穫できます。生の葉は、ほろ苦さの中にかすかに甘い香りのある独特の風味が卵料理にぴったりで、インドではオムレツやスクランブルエッグに混ぜたりして使われます。

そして乾燥させたものはカスーリメティと呼ばれて、それはスパイスとして種だった時とは違う使い方をします。なんともワザのある植物ですね!(写真はカスーリメティです)

さてそのカスーリメティですが、これはスパイスとして昔からあったものではありますが家庭ではあまり使われていません。最近インドでもテレビなどの影響かコックさんたちは新しいタイプのインド料理の研究に余念が無いのですが、これはそんな風潮のなかで生まれた新しいスパイス使いの流行を汲んだものといえるでしょう。北インド調のこってりした料理のソースによく揉んで混ぜ込むと味がぐっと深まり、美味しくなります。

インドの人たちは味は舌だけでなく鼻でも感じるものです。口の奥へと流れる香りと鼻から口へと降りてくる香りを、まるでワインを味わうかのように転がして堪能するのです。でも、これをするには料理自体がかなりの完成度でなくてはならず、実を言うと私にとってもこのあたりが一人の料理人としての勝負所なのです。

カスーリメティは乾燥させたものですから最近は日本でも仕入れているスパイス店があります。手に入れたらまず、手のひらでよく揉んで、香りを吸い込んでみてください。それが、アロマです。それを活かすにはどう料理をすればいいか、想像し、試し、そして楽しんでください。
その無限の可能性こそ、スパイス料理の醍醐味です。
さて、20回となったこのスパイスエッセイはここまでで一区切りとします。
次回からは新しいシリーズが始まります。お楽しみに!
 
 


   
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